【週刊銀高さん「涙」】




左目から、また勝手に涙がこぼれる。
そして銀八が零れた水滴を舐めとる。

何故この目は視力を失ったのか、自分は知らない。

この世に生まれた時から、何も映さない目だというのに、
銀八に出会ってから時々水滴がこぼれるのだ。


この男に出会ってから、まるで洪水のように感情が溢れてきて。

この男に怒りを覚え、この男を憎み、この男を好きになって、この男は悲しいと思った。

何も映さない目は、若い銀八の顔を覚えていた。
血にまみれた姿で涙を流していた。


何故。


「あまり思いつめんな」

銀八が、耳元に顔をよせながら強く抱き締めてきた。


それは、何故涙が出てくるのか、知っているという事なんだろうか?


また出てきた涙を吸いながら、瞼にも口付ける。
銀八の唇は熱い。


「思い詰めてるのは…」


お前だろ


だから、俺の誘いを断らなかったんだろ?


【終わり】
ヒトコト(2017/06/24)
Twitterの「週刊銀高」さんの2017年6月03日のお題「涙」。
転生八高ですが、高杉が覚えていなくて銀時は記憶があるパターンです。

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